武吉の俳句帳

有名無名句の英訳を試みます。俳句と英語の修行を兼ねて。

1)挨拶

六十四まで文芸無縁の俳句帳。

有名無名句の英訳を試みます。俳句と英語の修行を兼ねて。

 

初回、手始めに代表的な古典から。

古池や蛙飛び込む水の音       松尾芭蕉

  an old pond / a frog leaped into the water / the sound echos   (MATSUO Basho) 

  an old pond / a frog jumped into the water / the sound ripples   (MATSUO Basho)

英訳は多数あるようです(1, 2, 3)が、調べた範囲でかぶりなし。元句にない語 echoやripple を付加(作法6)。

 

次に、現代の俳人、今井肖子さんの作品。

ふらここを漕ぐあのころの空がある       今井肖子

  I'm swinging / swinging into the sky / of my memories   (IMAI Shoko)

元句の詩情が少しでも訳に出ていれば嬉しい。元句にない繰り返しはリズムのため(作法7)。

 

次は、佐藤文香さんの句。俳句甲子園第5回最優秀作品。

夕立の一粒源氏物語       佐藤文香

  an evening shower / a droplet / the tale of Genji unfolds   (SATO Ayaka)

元句通りの構成に、元句にない語 unfold を付加(作法6)。

 

次は、すでに古典とも言えそうな自由律の句です。

咳をしても一人       尾崎放哉

  I cough / I'm still alone   (OZAKI Hosai)

既訳があれば、かぶるかも。

 

もう一つ。現代俳人岡田幸生さんの自由律。

今日は顔も休みだ       岡田幸生  

  today / even the face is off   (OKADA Yukio)

これ以外に訳しようはなさそう。既訳があれば、かぶること必須。

 

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